2003年4月に発足した新研究室です。物性研究所の中核施設の一つで
あり、世界的に も最強の磁場発生とその下での様々な測定技術を有する
超強磁場発生装置とその周辺設備を最大の武器として研究を展開します。
嶽山研究室では、光と物質の関わり合い、あるいは、光で物質機能を変え
るためには どうしたらよいか、特に、物質の電子とスピンの機能を光によっ
てどのように引き出せるかを調べています。その手段として、半導体と磁性
体をナノレベルで組み合わせた量子構造を巧みに制御して光との関わり合
いをより有効にしたり、最大の大砲である超強磁場を用いて強磁場量子極
限という未踏の環境での性質を調べたりします。例えば,コンピュータの中
で演算や情報伝達に活躍している半導体に光を当てて磁性体に変えたり,
もとに戻したりとか。そんな夢をもって研究しています。磁性体は記憶媒体
に使われていますし,半導体は情報伝達を担っていますから,光で半導体
を磁性体に変えることができれば,光の速度で,記憶したり情報を運んだり
できそうです。
また、非常に強い磁場下では、物質の性質を決めている電子がその遮蔽
効果を失い、
お互いを強く意識しだし、通常とは異なる性質を顕にしたりします。
レーザー分光、パルス計測技術、磁場発生技術、低温、高圧技術とあらゆ
る手法を駆使しますので、ダイナミックで幅の広い技術と知識を取得した研
究者に育ちます。また、世界で他に追従を許さない超強磁場600 T 発生は
5MJという世界最大級のコンデンサーバンクからのエネルギーを一気に放
出しますので、他には経験できない醍醐味があります。
いろいろな色(赤,黄,緑,青,紫)で発振可能なレーザー,1兆分の1秒とい
う超高速で生じる現象を測れるパルスレーザー,光のエネルギーを分解す
る分光器を用いて,物質の光応答を詳細に調べています。
具体的な研究のキーワードとしては、励起子および高密度励起状態の電
子およびスピン物性、超高速光誘起磁化、超強磁場量子極限光励起新物
質相(例えば、ボーズ凝縮その他の凝縮相)の探索などです。
頭だけでなく体も動かしたい、そして、物づくりが好きな学生さん歓迎で
す。
他大学特に千葉大学理学部には親戚研究室があり、連携した研究を行い
ます。 欧米の強磁場施設との共同研究も考えています。楽しみながら研究
するがモットーです。
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